母とタバコの話

別に日記でも小説でもない、ただの雑記です。
読んで得られるものも何もない。


人生で一度もタバコを吸った事がない。
むしろ小さい頃はタバコを吸う人に対して嫌悪感があった。
小学校くらいまで母はタバコを吸っていたと思う。とにかく煙たくて目の前で吸われるのが嫌なので、ベランダに出て欲しいとかタバコをやめて欲しいと言っても、曖昧に誤魔化されるだけで、一切聞き入れられなかった。taspoなんてものは、その当時なかったので、おつかいで買いに行かされた事もあった。
記憶を掘り返すと、銘柄はたしかキャスターマイルド。白とベージュ、赤いラインが入ったパッケージをぼんやりと覚えている。

いつ頃だったか忘れたが、それまでいくらやめてほしいと頼み込んでも聞き入れなかった母が、ある日ぱったりとタバコをやめた。本数を減らすとか、徐々にでもなく、我慢出来ずに吸ってしまうとかもなく、本当にぱったりと。

時は流れ、はじめてお付き合いした方がタバコを吸う人だった。あれだけ嫌っていたタバコの香りもその頃には、そこまで嫌いではなくなっていた。
タバコを吸う姿がカッコいいとさえ思っていたかもしれない。その当時は。

アルバイト時代にタバコを吸ってそうと言われた事があるが、憶測で決めつけられ、そう言われた事がなんとなくショックだった記憶がある。

大学に入って周りの友達は割とタバコを嗜む人ばかりだったし、職場は先輩も社長もタバコを吸う人である。先輩1人は途中で吸うのをやめたのだけど。

人生で一回ぐらいは吸えばよかったかもなと、ぼんやり思う事がある。この書き方をすると、もうすぐ死ぬみたいだが、多分これからも人生の中で一回も吸わない気がするので、そう書いた。

そうやって、なんとなくタバコを吸う機会を逃し続けてきた訳だが、母がタバコを吸っていなければ、もしかすると変わっていたかもしれない。というお話。